全国各地にある碑が狙われている

全国各地で取材=©TBS DOCS

神戸:TBSドキュメンタリー映画祭のホームページには「ニュースには続きがある」と書かれていました。この問題は他の地域にも関係することであり、「終わった話」ではありません。映画の舞台挨拶が東京で予定されていますね。

三宅:はい、3月21日(金)です。

神戸:福岡のリスナーに伝えたいことはありますか?

三宅:映画には入っていませんが、YouTubeで視聴できる映像には福岡で取材した内容も含まれています。福岡の飯塚炭鉱があったエリアには「強制連行」と刻まれた慰霊碑があり、いまだに遺骨が残されている状態です。しかし、そこも攻撃の対象となっています。このような動きは全国各地で見られます。当時を知る人々が「残したい」と願って設置したものを、当時を知らない世代が「取り払いたい」と主張している。この違和感こそが、私の取材の出発点でした。ぜひ映画をご覧いただき、この問題について考えていただきたいです。

神戸:私も飯塚の現地に行ってみます。

三宅:ありがとうございます。

『あの日、群馬の森で-追悼碑はなぜ取り壊されたのか-』
上映情報:キノシネマ天神で4月3日(木)12時30分から上映

◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)

1967年生まれ。学生時代は日本史学を専攻(社会思想史、ファシズム史など)。毎日新聞入社直後に雲仙噴火災害に遭遇。東京社会部勤務を経てRKBに転職。やまゆり園事件やヘイトスピーチを題材にしたドキュメンタリー映画『リリアンの揺りかご』(2024年)は各種プラットフォームでレンタル視聴可能。最新作『一緒に住んだら、もう家族~「子どもの村」の一軒家~』(2025年、ラジオ)はポッドキャストで無料公開中。