国が調査した全国の土地の価格=地価が18日に公表され、鹿児島県全体は33年連続で下落しました。街なかを中心に上昇が続き、郊外などとの「二極化」が進む中、上昇率のトップは、住宅地・商業地ともに離島でした。

(記者)「鹿児島中央駅西口に来ています。こちらは大規模なマンションが道路を挟んで2軒建設中です。そしてまた隣接する県工業試験場跡地では、現在、利活用についての議論が進められています」

県内の住宅地で最も地価が高かったのは、鹿児島市西田2丁目16番で、1平方メートルあたり27万1000円。13年連続のトップです。不動産鑑定士によりますと、再開発ビルなどが相次いでオープンした鹿児島中央駅の徒歩圏内という利便性から、住宅の需要が伸びているといいます。

ただ、県全体でみると、商業地・住宅地などをあわせた平均地価は7万2300円で、33年連続で下落しました。

このうち、住宅地は県全体で4万4700円で27年連続で下落しましたが、鹿児島市では9万4800円と、4年連続で上昇しています。

調査地点の35市町のうち、上昇したのは、4年連続の鹿児島市や3年連続の姶良市など6つの市と町でした。そのほかは下落が続き、いわば「二極化」が進んでいます。

一方で、住宅地の上昇率トップを見ると…

(記者)「奄美市のベットタウンとして、奄美空港にアクセスも良いことなどから、ここ龍郷町に住宅を求める人の数も増えているとみられます」

奄美市街地と奄美空港の間に位置する龍郷町瀬留玉里で、プラス3.5%でした。不動産鑑定士によりますと、龍郷町は奄美市のベットタウンとなり、奄美市より土地の価格が比較的安いこともあって需要が伸びているといいます。

(住民)「この家もなかったし、ここも無かったし、これも無かった。生活がしやすいのと(奄美)市内に近い。空港にも近い」

商業地も県全体の平均は13万200円で34年連続で下落しましたが、鹿児島市は平均で29万9500円と、4年連続で上昇。最も地価が高かったのは、35年連続で鹿児島市東千石町13番の116万円でした。

一方で、商業地の上昇率トップも離島で、種子島・西之表市の中心部・東町のプラス4.1%でした。不動産鑑定士によりますと、馬毛島の自衛隊基地の工事関係者の増加で飲食店などの新規出店が増えていて、賃貸物件の空きはほとんどないといいます。

ただ、工事は5年後に完了し、物件の需要も落ち着く見込みのため、新しく店舗を建てる動きはほぼ見られないということです。