伝承継承へ 若い世代の活動が各地で
若い世代の活動は各地で始まっています。

気仙沼市の震災遺構・伝承館では中学生や高校生が語り部をしています。
3月8日も5人の高校生が宮城県外から訪れた人をガイドしました。震災当時はまだ3歳。当時の被災状況だけではなく、震災の記憶が少ない自分たちの心境も飾らずに語りました。

語り部・本吉響高校2年 熊谷月奈さん:
「物心ついた頃には気仙沼市内の風景はもうこんな感じで。この風景しかわからないんですよ。小さい頃の気仙沼の景色はどんな感じかと言われたら建物の上に船が乗っている、がれきの山。大人がちょっとずつ気仙沼の風景が戻ってきたと喜んでいるのを見て私は何も知らないなって」

語り部・気仙沼高校2年 阿部桃子さん:
「ちゃんと伝えられたかなという不安はあります。記憶が止まってしまうのを少しでも防ぐ力になったらいい」
高校生の語り部を聞いた人:
「覚えているところは少ないにしても、高校生が被害にあった状況を伝えていくことは、これからの人たちにとっての教訓になる」
伝承の危機を乗り越えるため、社会全体で語り継ぐことの必要性を共有していくことが求められています。