法政大学と関西学院大学の学生たちとSoZo株式会社運営のSDGsビジネスニュース「ツヅケル」が産学連携で実施したプロジェクト発表会が2月28日、法政大学で開催されました。
同プロジェクトは今年で3回目の実施で、2024年9月から12月までの約3か月の間、学生が主体となってZ世代のSDGsへの着眼点や就活におけるSDGs先行企業への着目点など、Instagramなどを駆使して意識調査を実施し、1,335名の現役大学生の声を集めました。

発表会では、現役大学生が興味を持つSDGs目標や、SDGsに積極的に取り組む企業ランキングを公表。
“SDGsネイティブ”と呼ばれるZ世代の現役大学生たちが、17の目標の中で重視しているものとは・・・

SDGsへのZ世代の関心は3年連続「目標4:質の高い教育をみんなに」!

現役大学生が最も興味のあるSDGs目標は4番「質の高い教育をみんなに」

「興味のあるSDGsの目標を教えてください(複数回答可)」という問いに対して最も関心が高かったのは、目標4「質の高い教育をみんなに」で、全体の4割以上を占める結果になりました。本プロジェクトの発案者であり運営を行っているSoZo株式会社の代表取締役・あつみゆりかさんは「この調査を3年続けているが、目標4は毎年一位で、いかに学生の関心事かがうかがえる」と話しました。

SDGs目標に関する意識調査を通して、「大学生は質の高い教育を求めている」ことがわかったと報告するの発表会で登壇した法政大学の学生たち

調査を行った学生たちは、「自分たちが今まで受けてきた教育に格差があり、課題を感じている学生が多いことがわかりました」と発表。家庭の経済力や育った環境によって教育格差が生まれていることを実感しているといいます。だからこそ、就職活動でも福利厚生や研修を重視しているといい、「充実した社内研修は、私達にとって未来の格差を埋める安心材料です。基本的な知識やスキルを学ぶことで平等なスタートを切れる機会になる」と話しました。

現役大学生が興味のあるSDGs目標には、1「貧困をなくそう」、8「働きがいも経済成長も」、3「」すべての人に健康と福祉を」

その他、SDGsの17目標のうち興味があるものとして高い割合を占めたのは、目標1「貧困をなくそう」、目標8「働きがいも経済成長も」、目標3「すべての人に健康と福祉を」という結果でした。

自分らしさやワークライフバランスを大切に

現役大学生は、具体的にどんな働き方を理想としているのか。
働き方のイメージに対する質問では、「結婚、出産、育児などライフステージによって仕事量を調節したい」、「給与がなるべく高い企業で働きたい」、「自分らしく働ける環境を選びたい」との回答が多かったといいます。

発表した学生たちは、「学生と企業の間には“当たり前(前提となる認識)”の違いがあり、価値観のすり合わせが大切だと考えています。その指標となるのが『SDGs』で、世代間の意識の差を埋めるチェックリストになります。Z世代にとって、SDGsの知識やそれに関連する社会の動きへの関心はもはや当たり前のものです。だからこそ、企業においても幅広い世代に向けたSDGs教育が重要だと考えております」と話しました。

現役大学生から見てSDGsに積極的に取り組んでいる企業ランキング「SDGs企業!大賞2025」の上位は以下の結果となりました。

1位 トヨタ自動車株式会社
2位 パナソニック株式会社
3位 株式会社ファーストリテイリング
4位 スターバックス コーヒー ジャパン株式会社
5位 株式会社ベネッセコーポレーション
6位 サントリーホールディングス株式会社
7位 日本航空(JAL)株式会社
7位 株式会社良品計画
9位 Apple Japan合同会社
10位 公益社団法人 ユニセフ協会
10位 日本マクドナルド株式会社

上位は、消費者向け(BtoC)の商品・サービスを提供する企業が多くを占めていることがうかがえます。
採用難が叫ばれる昨今、Z世代を獲得するカギは「SDGsの取組みと発信力の強化」なのかもしれません。