東京電力 柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、国のエネルギー政策のトップらが14日、新潟県議会に参考人招致され説明に立ちました。
午前10時から始まった県議会の連合委員会。

招致されたのは資源エネルギー庁のトップ 村瀬佳史長官のほか、内閣府や原子力規制庁の幹部ら合わせて11人です。

【資源エネルギー庁 村瀬佳史 長官】「柏崎刈羽原発の再稼働は、東日本の電力供給上の脆弱性を補う観点から極めて重要だと考えています」

国のエネルギー政策を担うトップが県議会で説明するのは初のこと。なぜ参考人招致となったのか…
【岸田 前総理】「柏崎刈羽原発の再稼働への理解が進むよう、政府を挙げてさらなる具体的な対応を行ってください」

国のエネルギー政策をめぐり、原発を最大限活用する方針を打ち出している政府。柏崎刈羽原発は去年9月に関係閣僚会議を開き、再稼働に向け本腰を入れて取り組んでいます。

村瀬長官は去年、花角知事と面会し柏崎刈羽原発再稼働の理解を求めるなど地元への働きかけを強めていました。

ただ、「地元同意」の鍵を握る花角知事は態度を明らかにしておらず、去年6月に柏崎刈羽原発の7号機が技術的に再稼働できる状態になりましたが、いまだ再稼働に対する議論は結論が出ていません。

14日、県議会で説明に立った村瀬長官は東日本では電力供給のおよそ8割を火力発電に依存していて、西日本に比べ電気料金が2割から3割高いことを説明。原発再稼働の重要性を説明しました。

そして午後からは県議会の各会派から質疑の時間が設けられ、最大会派の自民党は国が県に行った再稼働への理解要請について、その法的な位置づけを質しました。
【資源エネルギー庁 村瀬佳史 長官】「国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組むとして、法的に必要な要件ではないけれども、政府の方針に基づいて(要請している)」

一方、柏崎刈羽原発の電気は主に首都圏へ供給されますが、新潟には供給されません。自民党県連は原発の再稼働による新潟への経済的メリットを求めています。

【自民党 高橋直揮 県議】「国は本県の地域経済活性化のために、どのような取り組みを考えているのか」

【資源エネルギー庁 村瀬佳史 長官】「脱炭素電源などのクリーンエネルギーが豊富な地域に『企業投資を呼び込む』という立地地域への策についても、今後地元の状況をふまえながら詳細を検討してしっかりと実行していきたい」

この答弁に高橋県議は…
【自民党 高橋直揮 県議】「具体的に何をやるかに関しては一切なかった。すぐ決められる話じゃないと思うのでそこは、今回こっちからボールを投げているので、ボールが返ってくるのを待とうかなと」

一方、野党系会派の原発立地自治体選出の県議は住民の思いをぶつけました。
【未来にいがた 笠原晴彦 県議】「地元が長年にわたり賛成・反対に分断されている。このことについて何か思いはあるのか」

【資源エネルギー庁 村瀬佳史 長官】「様々な意見がございます。安全安心に対する懸念、不安の声もありますが、一方で安定供給を求める声、全て真摯に受け止めながらバランスの取れた電源構成を引き続き追求してまいりたい」

【未来にいがた 大渕健 県議】「原発の必要性だとかを強調して説明されても、我々の関心はそれが安全ものなのかとか、事故になったときに大丈夫なのかというところ。地元の声をしっかりと国に持って帰って、大臣や総理大臣、しかるべき人に伝えてほしい」

長時間県議会に立った村瀬長官は。
Q再稼働は前進したか
【資源エネルギー庁 村瀬佳史 長官】「前進かどうかは私から言うべきものではないと思います。とにかく少しでも皆様のご理解が深まるように丁寧に一歩ずつ一歩ずつ進めていきたいと考えております」

国は今後も地元への理解のため説明していきたいとしています。