「町の未来に明かりを灯したい」。東京電力福島第一原発が立地する福島県双葉町では、今年も、3月11日にキャンドルナイトが行われました。

「東日本大震災・原子力災害伝承館前」の広場に、福島の復興、そして双葉町の明るい未来への願いが込められた、優しいキャンドルの明かりが灯りました。
震災、原発事故から今日で14年。このキャンドル、上からみると「3.11」の文字が浮かび上がってきます。

双葉町はおよそ2年半前から住民の帰還が始まりましたが、町の8割以上がいまだ帰還困難区域です。双葉町の住民は、3月1日時点で184人と、震災前のわずか3%となっています。

そんな町の未来を明るく照らそうと、灯されたキャンドルは、今年は1300本あまり。去年より200本ほど多いということです。日中から県内外の人が訪れ、キャンドルに思いの込もったメッセージを書いて復興を祈っていました。伝承館には献花台が設けられていて、発災時刻には黙とうが行われました。

長崎から来た人「福島に来たのも初めてで、どういう状況なのか全く想像がつかなかったが、学ばせてくれてありがとう、力をくれてありがとうという思いで(キャンドルを)書きました」
郡山市から来た人「小学6年生で(被災して)家が半壊して、色々大変な時もあったが地震がなければ生きていたかもしれない人の分まで頑張って生きようという気持ち」
いわき市から来た人(双葉町出身)「(震災後は)町に人があまりいないが、きょうはいっぱい人がいて嬉しい気持ちになりました。思い出の町なので復興を願っています」

県によりますと、11日は県内5か所でキャンドルナイトが行われ、およそ4500本の明かりが灯されたということです。