古いものを守る。

一度は歴史ある実家の蔵を失った寛さんですが、その思いは釜を新調し、伝統の製法を守るという今回の挑戦にもつながっていました。

藤井康代さん
「母が『東から私と康代の夢が来る』という句を、病状が末期の時、寛さんが来てくれるとなったときに、俳句を何個か作っていたんですけど、その中のひとつで『こんなの思い浮かんだ』とか言って報告してくれて…」

和代さんは2人の結婚からまもなく、旅立ちました。
ただ、「東から来た夢」は寛さんだけではありませんでした。

去年、団四郎へやって来た釜は、特注で作ってくれるメーカーを探し出して新調したもの。そのメーカーが、寛さんのふるさとと同じ岩手県の製鉄会社だったのです。

藤井康代さん「団四郎のピンチにいつも東から…」
藤井寛さん「私が来た、今度は釜が来た…って」