“シン呼吸”のカギ「横隔膜」

“シン呼吸”(深い呼吸)のポイントは、横隔膜をしっかり動かして息を吐ききることです。横隔膜は、胸とお腹を分けるドーム状の筋肉です。肺には筋肉がないため呼吸を助ける働きをします。横隔膜は吸ったときに下がり、息を吐いたら上がります。この差は約10センチあると言われています。
ハアハア呼吸が常態化している人は、この横隔膜がほとんど動いていないというのです。

≪お腹をへこませる力をつける横隔膜呼吸≫
【1】お腹をへこませながら5秒かけて鼻から息を吐く
【2】さらに強く吐く。
・お腹にさらにギュッと力を入れて、1秒で息を吐き切る
・少し前傾姿勢になるとやりやすい
【3】鼻から自然に吸う
・意識して吸わずに鼻から自然に空気が入ってくるのにまかせる
※1回に4、5セットが目安
※無理のない範囲で実施してください
スタジオでも体験してみるとー

江藤愛アナウンサー:
5秒息を吐くっていうのがとても大変。

コメンテーター 杉浦太陽:
お腹が締まる感じですね。

“シン呼吸”トレーニング 「いの口呼吸」

「い」の口で息を吐くと、口をぽかんと開けて吐き出すよりも長く強く息を吐きやすくなります。15秒吐けたら合格です。
ポイントは、息を吐き切ってからさらにまたグッと息を出すこと。
肺に残った空気を吐き出せるので、必要な分だけの新鮮な空気が肺に入ってきます。

奥仲哲弥氏:
自分の能力で全部吐いたところで入ってくるのがその方の容量なんですね。
吸っちゃうとそれ以上の空気が入って吐き出せませんから、余った空気になっちゃうんです。

奥仲氏によると、長く吐くことを続けると、自然と深い呼吸が習慣化されるそうです。
家事の合間、湯船につかりながら、レジ待ち、エレベーター待ちなど様々なタイミングで行ってください。
奥仲氏のおすすめは、「横断歩道を渡るとき」。
横断歩道は渡るのに15秒くらいあるので、「いの口」呼吸にはちょうどいいそうです。

(ひるおび 2025年3月5日放送より)
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<プロフィール>
奥仲哲弥氏
国際医療福祉大学医学部呼吸器外科 前教授
肺がんなど4500例を超える手術経験を持つ