及川さんを救った「人間カイロ」
及川淳之助さん:
「その当時、私、全然意識がなかったんですけど、どのような状況だったか聞きたいなと」

佐藤裕さん:
「水からあげられた人がいるから、低体温症で布団で寝ているので隣に行って温めてくれということを言われまして。布団に入ったのは私と大柄な先輩。両脇からくっついて温めるような感じ」
及川淳之助さん:「ありがとうございました。自分たちも寒かったのにね。雪は降っていたし」

布団に寝かされていた及川さん。学校職員に言われ、半袖・短パン姿になった佐藤さんら生徒2人が及川さんを両脇から挟み込み「人間カイロ」のようにして体を温めたのです。さらに、もう1人の生徒が足をさすったといいます。1時間ほど、無我夢中で温め続けました。及川さんは、震災当日の夜に意識を回復し一命をとりとめました。

佐藤裕さん:
「時間が経つと(体が)あたっている部分が暖かくなってきた」
通常、首や脇の下など太い血管が通る場所を温めると効果的だといいます。また、薄着になると人肌を伝えやすくなります。一方で、温める側が熱を奪われてしまうため、注意も必要です。