運び込まれた避難所には中学生が
住民に救助された及川さんは、ずぶ濡れのまま高台にある工場の休憩スペースに運び込まれました。

当時、工場には地域住民に加え、戸倉中学校の生徒たちも身を寄せていました。そのうちの一人が、当時中学2年生だった佐藤裕さんでした。ずぶ濡れだった及川さんの様子を覚えています。

震災当時14歳 佐藤裕さん:
「人の体って温かさが分かる。人肌というのは。そうではなく、物をさすっている感じ。冷たいし、体もガチってなってるし、人の体じゃないみたいでした」

あの日、宮城県内各地の避難所は、電気も十分な暖房器具もないなか、多くの人が寒い夜を過ごしていました。津波に飲まれ低体温症になっていたと見られる及川さんにも命の危険が迫っていました。しかし、佐藤さんら中学生の「ある行動」が命を救ったのです。

及川淳之助さん:
「その勇気がなければ私はこの世の中にいなかったかもしれない」
停電で暖房も使えないなか、中学生たちはどうやって及川さんを救ったのでしょうか。