高額療養費は見送り 企業団体献金は?

全国がん患者団体連合会 轟浩美理事
「治療中断に追い込まれ、命を落とす患者が生まれることを強く危惧している」

がんなどで高額な治療を必要とする患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」。政府は、社会保障費の予算を抑えるため患者の負担額を引き上げる方針でしたが、野党側は100億円ほどの予算組み換えで対応できると訴えます。

共産党 小池晃書記局長
「100億ちょっとで(負担引き上げは)止められる。ちなみに(戦闘機)F35は一機200億。予算のやりくりで十分可能。そのくらいのことがなぜ出来ないのか」

石破総理
「たった100億という言い方はあまり正しくないと思います。適切に判断をいたしてまいります」

石破総理は引き上げ凍結に応じない姿勢。しかし、与党からも批判が…

公明党 谷合正明参院会長
「国民の理解が十分になっていない」

さらに、選挙を控える自民党議員からも…

自民党 佐藤正久参院幹事長代理
「国民の理解が得られないと、そのまま夏の参議院選挙に跳ね返ります。覚悟を持っていただきたい」

そして、ついに7日…

石破総理
「(引き上げの)実施を見合わせるという決断をしました」

“医療負担引き上げ”の見送りを決めたのです。衆院の審議から引き上げ凍結を強く主張してきた立憲民主党は…

立憲民主党 野田佳彦代表
「ようやく、ようやく、石破さんも遅すぎる。これは英断ではなく優柔不断だったと」

石破総理の決断が試される課題はこれだけではありません。野党が禁止を求める「企業・団体献金」。自民党は、禁止には反対し、公開の範囲を広げる法案を提出していますが…

立憲民主党 本庄知史議員
「(自民党案で公開の)対象となる政党支部は、全政治団体のたった5.6%にすぎません。開いた口が塞がらないとはまさにこのことではないか」

野党側から続く突き上げ。

一方、裏金問題をめぐっては、先日の参考人聴取で出た新たな証言と安倍派幹部らの説明との食い違いが明白になり与党からも…

公明党 西田実仁幹事長
「(安倍派幹部の説明と)食い違いがある点 について、しっかりと自民党の中で全容解明 に努力してもらいたい」

野党が求める安倍派幹部の参考人招致について、公明党も容認するかのような姿勢。自民党内には反発も予想され、少数与党による綱渡りの国会運営が続きます。