東日本大震災の発生からまもなく14年です。被災地では、外国人観光客に英語を使って防災について伝える活動に取り組む小学生がいます。

「伊達政宗って聞いたことありますか?」
「銅像をきのう見たよ」

日本三景の一つ、宮城県松島町で外国人観光客に英語でツアーガイドをするのは小学4年生の小高陽彩さん(10)です。

3歳の頃から英語の勉強をはじめ、去年「英検準2級」に合格。身につけた英語を生かしたいと去年から始めたツアーガイドでは「東日本大震災」についても必ず伝えるようにしています。

陽彩さん
「これは震災遺構の荒浜小学校です。10メートルの津波が来ました。天井や壁がひどく壊れているのを見ました。恐ろしかったです」

ドイツ人観光客
「私は小学校についての話が印象に残っている。屋上に避難した方たちは本当に怖かったと思う」

10歳の陽彩さん。生まれる前に起きた震災のことをガイドに盛り込んだのは、消防士の父から聞いた話がきっかけでした。

陽彩さん
「最近も地震が多いし、外国人には被害に遭ってほしくない」

厚生労働省のまとめによると、震災では41人の外国人が犠牲になっています。多くの観光客が訪れる松島にも津波は押し寄せました。

陽彩さん
「津波が来た!どこに避難しますか? A.高台に行く B.遠くに行く」
スコットランド人観光客
「高台に行く。違う?」
陽彩さん
「正解はAです!」

外国人観光客のほとんどは地震や津波の知識が十分ではない中、陽彩さんはクイズや標語を使って防災について伝えるようにしています。

陽彩さん
「楽しく旅行に来てもらっているのに、そこで津波や地震が起きたら何か日本嫌だなと思われると嫌だから、教えてあげて、この先、地震とかにあったら話したことを生かしてほしい」

被災地を訪れる外国人が増えてきている今、陽彩さんはいつ起こるか分からない地震や津波について知ってもらい、防災に役立ててもらおうと意気込んでいます。