震災の教訓が得られる「津波てんでんこクエスト」
3月に大学を卒業する畠山さん。卒業制作は、もちろん「気仙沼クエスト」。その新作を初披露です。

タイトルは「津波てんでんこクエスト」。祖母に聞いた「てんでに逃げる」をコンセプトにしました。
ゲームの目的は仮設住宅で友達100人を作ること。余震に見舞われながら避難をするのか、友達作りを続けるのか判断に迫られます。主人公は5種類のホヤぼーやで、「めんどくさがり」「いくじなし」などそれぞれ性格が異なります。
例えば、おっかながり=恐がりのホヤぼーやは…

おっかながりホヤぼーやの友達
「まさか余震にビビるわけないよな?」
おっかながりホヤぼーや
「僕はおっかながりだから…つい最悪の事態を想定してしまうんだ。だから逃げなくてはならないんだ」
モデルは、取材で出会った常山俊明さんです。

畠山さん
「迅速に避難するにあたって躊躇は?」
津波から逃げた常山俊明さん
「躊躇ははっきりいってなかった。私、人より“おっかながり”かもわからない。一番最悪なことを思って大げさに行動する」
ピンクのホヤぼーやのエピソードは、長谷川さんの避難行動を参考に。

津波から逃げた長谷川智子さん
「“着の身着のまま”ですね、本当に」
畠山さん
「あの当時、頻発していた余震からその都度、高台に避難しなきゃしなきゃいけない。いかに“てんでになって逃げる”ってことを行うか、ゲームの中で体験できることになっている」

ちなみに、祖母・重子さんもキャラクターになっていました。悩んでいた災害の描き方、津波を表現することはやめました。
畠山さん
「津波というものを、ちょっと茶化してコミカルに描くことは絶対にできないですよね。直接的なものを描かなくても、何かがわかるのがゲームだと思っているので」
大学の後輩にプレイしてもらうとー
大学の後輩(21)
「自分ごと化しやすいなって思いました。いざという時は自分の判断で逃げなきゃいけないんだなと」
“ゲームだからこそ伝えられること”

畠山さん
「防災というのは、知識というよりも僕は“経験”だと思ってますね。経験であり“心構え”であると思うんですね。自分に心の“迷い”とか“隙”とか“葛藤”みたいなものがあるっていうのを、自覚してもらえるようなものっていうのを作れたらいいなと思ってる」
