「自動車除外」を直談判 トランプ関税は日本にも

藤森キャスター:
当然株価はトランプ大統領を意識をしているでしょうし、皆さんの声を伺っても一番気になるのは物価だそうです。

片山薫 記者:
生活に直結する物価ですが、トランプ関税自体ではそれほど日本の物価は動かない。ただ円高になっていることで、これまで円安で進んでいた物価高は少し上昇率が緩やかになります。いきなり下がるようなことはありませんが、これまで勢いで上がっていたものが、少し緩やかになるのではないかという期待はあります。

小川キャスター:
トランプ大統領は「日本が円安を誘導してるんだ」という発言をしましたが、これは事実誤認でしょうか。

片山薫 記者:
事実誤認だと思います。これで円安の進む勢いはなくなると思うので、やや為替が落ち着き、150円前後で動くのではないかと期待できます。為替はなかなか予想ができないので、難しいところです。

賃上げについては5日に春闘の先行妥結があり、比較的早く出た企業を見ると、賃上げ6%台後半の企業もあり、今年の春闘は期待ができるのではないかと一般的に言われています。

不安なのは、これから日本車がアメリカに行くときに自動車関税がかかってくるというところです。企業の打撃が大きいので、不安視されています。

トランプ大統領が「4月から自動車関税を引き上げる」と言っていますが、来週にも武藤経済産業大臣がアメリカに渡り、商務長官とかアジアのカウンターパートに対して、自動車関税の適用除外を直談判するということです。こちらも除外できる要素というのは探していると思いますが、切り札はまだ見つかっていません。

トランプ大統領が、「ホンダの工場がアメリカにやってくる」と発言しています。元々メキシコで、『シビック』という売れ筋の車の新しいモデルを作ろうとしていましたが、それをアメリカの工場で作りますよというのがお土産の一つなのではないかと見られています。

ただ、これで全部うまくいくかどうかはわからないため、真剣勝負だと思います。何かアメリカから買わされるといったことも警戒しなければいけないかもしれません。

トランプ政権の経済政策について「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『トランプ政権の経済政策』について「みんなの声」を募集しました。

Q.トランプ政権の経済政策による影響 最も気になるのは?

「株価」…17.1%
「賃金・雇用」…7.0%
「物価」…58.4%
「為替相場」…13.4%
「その他・わからない」…4.1%

※3月5日午後11時11分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません

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<プロフィール>

片山薫 記者
23ジャーナリスト 経済部筆頭デスク
財務省や経産省・農水省などを担当

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行