カナダのトルドー首相は、アメリカがカナダからの輸入品に25%の関税を課したことを受け、「アメリカが貿易戦争を開始した」と批判し、報復関税を発動すると発表しました。

カナダ トルドー首相
「きょう、アメリカがカナダに対して貿易戦争を始めました。カナダ人は理性的で礼儀正しいですが、国と国民が危機にさらされている時に戦いから退きはしません」

トルドー首相はアメリカへの対抗措置として、あわせて1550億カナダドル=日本円でおよそ15兆9000億円相当のアメリカからの輸入品に25%の関税を課すと発表しました。

また、4日に、WTO=世界貿易機関に紛争解決を求める異議申し立てを行うと表明しました。

トルドー首相は「アメリカは最も親密なパートナーのカナダに貿易戦争を仕掛けた一方で、うそつきで独裁者のプーチン大統領をなだめようと、ロシアと積極的に協力しようとしていて、理解しがたい」と批判。

自身とトランプ大統領の争いは、世界中の敵対国が望んでいることだと指摘し、トランプ大統領に直接対話を申し込んでいて、数日内に実現することに期待を示しました。

一方、アメリカのトランプ大統領は、カナダが報復関税を発動した場合、さらなる関税の引き上げを行う考えを示しました。

4日、SNSで「カナダのトルドー知事に、アメリカに報復関税をかければ、我が国もただちに同様に報復関税をかけることを説明してあげてほしい!」と強調していて、報復の応酬となる可能性があります。

トランプ氏は去年から、トルドー首相を「カナダ州」の「知事」と呼んで揶揄しています。