医学部生が問診の練習をするための「模擬患者アバター」を開発している長崎大学などの研究グループが、4日成果発表を行いました。(アバターのリアルな受け答えは「動画」で紹介)

模擬患者アバターとは?

今回開発されたアバター(仮想患者)は、名前や症状を入力するとAIが問診の会話データを作成し、さらにアバターが音声として発話する仕組みです。2種類のAIが連携することで、医学部生がよりリアルな問診練習を行うことを可能にしました。

システック井上医療情報技師 遠山修平さん:
「今日はどうされましたか?」
模擬患者アバター:
「ここ2~3日、咳と熱が続いていてつらいです。熱は38度7分くらいあります」

開発の背景と課題

長崎市のIT企業と長崎大学情報データ科学部などが、昨年3月から共同研究を進めてきました。

長崎大学情報データ科学部 小林透教授:
「実際の患者さんにはさまざまな病気や特徴があります。性別や年齢も異なる、それに対応するには膨大な学習データが必要です」

医学部生が「問診」を学ぶ際、現在はボランティアのスタッフが患者役を務めています。しかし、人手不足や対応できる疾患の限界が課題となっていました。

システック井上医療情報技師 遠山修平さん:
「医学部生が医師になる過程で、基礎となる重要な部分に貢献できればと考えています」

今後の展望

模擬患者アバターは医学部生の実践練習に活用されるほか、今後はアバターが医学部生の問診を評価できるシステムも構築していく予定で、来年3月の製品化を目指しているということです。