一方で産地では、“異例の”増産に踏み切ります。
全国で最もコメの収穫量が多い新潟県では、2025年の目標生産量を前年より3.5%多いおよそ56万トンに設定。そのほか、北海道・東北・関東といった多くの産地で、生産量を増やす計画です。

『コメの消費量は全国で毎年10万トン減っている』とする農水省の試算を根拠に、国内全体で生産量を減らし続けていただけに、“歴史的な増産”といえます。
多くの産地では、家畜の餌用のコメの栽培を主食用に変えて増産する見込みですが、なかには簡単に増産ができないケースもあります。

新潟県南魚沼市の高村さんの田んぼでは、もともと主食用が多く、さらに生産量を増やすには田んぼを増やす必要があります。
ところが高村家の次男・智也さん(39歳)によりますと、今年の増産分は1ha分にとどめたということです。
「結構、もう、限界かなと思いまして…」
そこには、簡単には面積を増やせない事情がありました。