京都成章・高萩選手「FW陣は互角に渡り合えている手ごたえがあった」
一方、開始10分で、小さなミスから12点のビハインドを背負った京都成章。ここから冷静に立ち直ります。関崎大輔監督の「ここは我慢、我慢。後半勝負だぞ」の声掛けに選手全員が奮起。持ち味である運動量で大阪桐蔭と互角に渡り合うと、徐々にボールを支配して大阪桐蔭陣内に攻め込んでいきます。そして19分、トライラインまで5mのラインアウトから鮮やかにサインプレーを決めてCTB高萩誠人選手がトライ。12対5と7点差に迫って前半を折り返しました。
高萩選手が「前半は我々BK陣のミスから失点してしまったが、FW陣は互角に渡り合えている手ごたえがあった」と語った京都成章。後半も、フィジカルを前面に圧力をかけてくる大阪桐蔭と互角以上にわたりあいます。そして後半10分、FW陣が執拗に連続攻撃を繰り返した後、ペナルティーからの早い仕掛けでPR辻子倫太朗選手が中央にトライ。ゴールも決めてついに12対12の同点に追いつきました。
序盤のリードを追いつかれた大阪桐蔭。しかし、手崎主将が「0対0の(試合前と同じ)状況に戻っただけ。全員が次のキックオフから『行くぞ』という気持ちだった」と振り返ったように、直後のキックオフから全員が素晴らしい集中力をみせます。連動した動きで京都成章に襲い掛かると、敵陣の深い位置でマイボールを確保してチャンスにつなげていきます。そして14分、鋭い縦突破の連続でトライラインまであとわずかまで攻め込むと、最後は途中出場のHO金井琉晟選手がトライ。17対12として再び5点のリードを奪いました。
それでも差は5点。ワンチャンスで逆転可能な点差だけに、両チームにミスが許されない緊張感漂う時間が続きます。お互いがキックでエリアを探る慎重な攻防の中で、勇気をもって仕掛けたのが大阪桐蔭でした。後半18分、キックを受けた大阪桐蔭のモレノ選手が、相手の守備陣形をみて判断よくカウンター攻撃。一気に京都成章のディフェンスを突破すると、「スペースが見えたのでそのまま行ききろうと思った」とフォローしたFB吉川選手が中央に回り込んでトライ。吉川選手自らがゴールも決めて24対12、再び差を12点にひろげました。