競走馬の蹄に装着する「蹄鉄(ていてつ)」という器具はご存知でしょうか?

「蹄鉄」とは主に馬の蹄を保護するための保護器具で、競走馬の世界では馬の足を守る為に欠かすことのできない物です。

北海道十勝地方の「ばんえい競馬」には、まさに足元から支えている蹄鉄職人がいます。

ばんえい競馬は、農耕馬として利用されてきた体重1トン前後の「ばん馬」が重量物を積載したそりを引く十勝独特のレースで、北海道の馬文化を象徴する競馬として定着しています。

朝から鉄の音が響く装蹄所

まだ太陽が昇っていない早朝。

「カン、カン、カン、カン」と鉄の音が響きます。

ここは十勝のばんえい競馬。厩舎内の装蹄所。蹄の調整を求めて競走馬達が駆け込んできます。

「6時頃から仕事するから5時から起きているわなぁ。ハハハ!」

笑いながら答えるのは、この道一筋68年の装蹄師、千葉喜久雄さん83歳です。

装蹄師 千葉喜久雄さん(83)

千葉さんは、ばんえい競馬で最高齢の装蹄師。競走馬を足元から支えています。