JAなどの出荷業者と卸売業者が取引する際のコメの価格が高止まりしています。
2024年度産のすべての銘柄の平均価格は、2024年9月には玄米60キロ当たり2万2000円余りでしたが、その後上昇を続け、1月にはおよそ2万6000円と過去最高を更新しました。
2024年の1月に比べて、1万円余り上昇しています。
国は、2月、最大21万トンの備蓄米の放出を公表しましたが、コメの販売業者は、この量では値下がりにはつながりにくいと話します。


長野市で80年続く、むらおか食糧販売店。

主に宿泊施設や飲食店向けに業務用のコメを月6トンほど販売しています。

代表 村岡孝さん:
「危機感を感じます」
「ほとんど倍ですよね」

代表の村岡孝さんによりますと、主流の長野県産こしひかりは、2024年10月には10キロ3500円ほどで販売していましたが、今年に入り6800円から7000円に値上げをせざるを得ない状況となっています。

村岡さん:
「うちらの取り分はだんだん少なくなって、こんなに高い値段だったら売れないという感覚で少しずつ利益が目減りしています」

値上がりだけではありません。

買い付け競争の激化などから、市場に流通するコメが品薄に。

村岡さんの元にも、卸売業者から新規の取り引きを増やさないよう依頼する文書が。

インバウンド需要が好調な白馬村の宿泊施設などから大口の引き合いがありますが、断っている状態です。

村岡さん:
「結局売りたくても物がないので、品物がないと売れないもんね」