戦前、富山県の黒部川や庄川のダム建設現場では、国内だけでなく朝鮮から来た多くの労働者がいました。このほど市民グループの調査によって過酷な環境で亡くなったとみられる朝鮮人労働者の墓標が見つかり、85周年の命日に追悼する集いが開かれました。

見つかったのは、85年前、黒部川の電源開発に関わるダム建設現場の事故で亡くなったとみられる朝鮮人労働者、呂野用(ヨ ヤヨン)さんの墓標です。
黒部市宇奈月町の山林の中にありました。

墓標は、戦前の黒部川の電源開発と朝鮮人労働者の記録を調査している市民グループ(追悼85周年の集い実行委員会)が2年前にその存在を知り、地元周辺での聞き取りや文献を調べ、判明したものです。

2022年10月9日は85年の命日にあたるため、市民グループの代表であり富山大学講師で社会言語学を研究している宋有宰(ソン ユジュ)さんや、元金沢大学教授で近世の日本と朝鮮の関係が専門の鶴園裕(つるぞの ゆたか)さんなど11人が集まり、祖国を離れ日本の工業化と電源開発に尽力した先人の苦労をしのびました。

