全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、三重県にある“伊勢神宮にまつわる道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)

国道368号は伊勢神宮の参道だった「伊勢本街道」

三重県伊賀市から奈良県を経由し、三重県多気町までをつなぐ国道368号。かつては伊勢神宮に通じる「伊勢本街道」として、多くの人に使われた重要な道でした。現在は国道に指定されており、松阪市の仁柿峠(にがきとうげ)に続く5kmほどの区間は、細くて険しい過酷な道“酷道”が続きます。

その道は飛鳥時代、当時の三重の名産“水銀”を運ぶための産業道路だったと言う道マニア。のちの「伊勢本街道」となるルートで三重から奈良まで水銀を運んだとされており、櫃(ひつ)に水銀を入れて運んでいたことから、「櫃坂道(ひっさかみち)」とも呼ばれているそう。

江戸時代には、「伊勢本街道」を利用して多くの伊勢神宮参拝者が往来。仁柿峠には複数の宿屋“旅籠(はたご)”が建ち並び、宿場町として栄えました。旅籠の名前が書かれた木製の看板が、今も仁柿峠に残されています。