花粉症を悪化させる「PM2.5」とは?

(大野さん)
「花粉症を悪化させる原因として『PM2.5』というものもあります。PM2.5という物質があるわけではなく、大きさが2.5㎛以下の小さな塵(ちり)のことを指します」

ーいろいろな小さな塵の総称ですね。

「たとえば排気ガスやたばこの煙、スス、砂埃、それにもっと細かい有害物質などがくっついていたり、有害物質そのもののだったり、目には見えない小さな塵です」

「この時期は地球が回る自転の影響で一年中吹く偏西風に加えて、乾燥して冷たい空気が大陸から日本に向けて吹いて時期です。春先に増えるともニュースでよく出てきますので、勘のいい方はPM2.5=黄砂と思われている方もいるかもしれません。半分正解です」

「黄砂は大きさが10㎛以下の粒子が多いといわれますので、PM2.5は黄砂、というわけではありません。それでも黄砂にも小さなものが含まれるので、春先の黄砂はPM2.5の数値を押し上げます」

「乾燥して細かい塵は乾燥すると飛びやすいので特にPM2.5は増えてしまいますね。黄砂=PM2.5ではなく、PM2.5には黄砂の一部も含まれます、というのが正解でしょうか。PM2.5は黄砂が多い春先だけのものではなく、年中飛んでいるもので、春先以外にも問題を引き起こす物質です」

「ただ、PM2.5はとっても悪い物質!ということではなく、ほかの気象条件などとの関係でPM2.5を核にして雲ができたり、霧やもやの発生条件になっていたりと、地球の大きな活動や、季節を感じる風情の材料になってもいます」

「ちなみに、スギの花粉の大きさは30~40㎛ほどあるので、PM2.5と比べると10倍以上の大きさがあります」

花粉やPM2.5が増えるこれからの時期、少しでも家の中で減らす方法を【後編】にまとめています。

(2025年1月31日の記事再掲)