15日未明、長崎県佐世保市の県道で西九州自動車道の工事中に「橋げた」が台車から落下した事故について、NEXCO西日本は、道路の勾配に対し架台を水平に調整する操作が間に合わなかったことが原因と発表しました。

140トンの橋げたが道路ふさぐ
この事故は15日未明、長崎県佐世保市の県道11号で、長さ30メートル、重さ140トンの「橋げた」1本が工事用台車から落下したものです。付近の県道は約13時間通行止めとなり、周辺の交通に大きな影響が出ました。
NEXCO西日本によりますと、落下した「橋げた」は西九州自動車道の4車線化に伴う工事に利用するもので、組み立て場所から仮置き場へ、リモコン操作の台車で運搬中、台車から県道に落下したということです。

落下の原因は「勾配」
仮置き場は中央分離帯にあり、運搬の途中、道路の傾斜が【2.0%】→【4.8%】に変わる場所を通過します。
作業員は、道路の勾配にあわせて台車の架台が水平になるよう調整する必要がありましたが、この調整操作が間に合わず架台が傾斜したことにより載せていた「橋げた」が落下したということです。

再発防止策
NEXCO西日本は再発防止策として、
(1)橋げたの仮置き場を佐世保駅付近の平坦な場所へ変更
(2)路面の勾配が変化する手前での一時停止の義務付けと、速度制限(時速2キロ)
(3)台車に設置された水準器と速度計を監視する職員の配置を実施するとしています。
現場の安全確認や再発防止策の教育が完了していないとして、21日現在も工事は中断しており、再開の目途はたっていないということです。