自分らしい「性別」で生きたい、あるトランスジェンダーの女性

戸籍の性別を変えられるようになってから、性別変更した人の数は1万人を超えると言われています。しかし性別を変えるためには、必ず超えなくてはいけない高いハードルがあります。自分らしい「性別」で生きたい、あるトランスジェンダー女性の姿を追いました。


明るいロングヘアにショートパンツ、札幌に住む、ありすさんです。

「プライベートではおとなしめにする。無口よ。声出したら絶対振り向かれるもん」

ありすさんと出会ったのは、去年12月。このバーのスタッフとして働いています。

心は女性、身体は男性のトランスジェンダーです。
ありすさんは、両親と暮らしています。お母さんのゆみ子さんとは、大の仲良しです。

談笑しながら料理をする、ありすさんとゆみ子さん


アルバムを開き、高校生のころの写真を見せてくれました。
「高校のときは好きな男の子いたね。化粧したいとかも出てきているよね」


自分らしく生きてきたありすさん。男性のパートナーと交際していたこともありますが、「むこうが浮気してそっちが良くなって、振られる側になった。普通に女の子に浮気されて、そのまま結婚しちゃった」と、淡々と話します。

 

ありすさんはこのとき、人生の大きな一歩を踏み出そうとしていました。