半導体試験「アドバンテスト」 不確実な時代の「必勝戦略」
――世界でこれだけ優位性を持っているという強みはどこにある?
アドバンテスト 津久井幸一社長:
たくさんある。まず技術力、ちょうど去年70周年を迎えたが、電流計から始めた計測一筋で培ってきた技術力にあると思っている。今、我々が提供している製品は、SOCもあれば、メモリーもある。ほぼ全ての半導体が図れるような製品ポートフォリオ。
――もう一つは「テスト」に絞った領域に新たに入ってくる参入障壁がある。
アドバンテスト 津久井幸一社長:
やはり企業文化もある。計測とか世の中に標準軌を収めることに、すごく真面目に一生懸命働く文化もあるので、ビジネス的に儲かるからということだけではなく、世の中を支えるという気持ちもお客様の信頼を得ているところだと思う。

今後のアドバンテスト。地域別の売上高を見ると、半導体を作ってる台湾・韓国・中国の売上高が高い。とはいえ、今中国へは経済安全保障の関係で出しにくいという状況になりつつある。トランプ政権の発足でアメリカは自分に囲い込みたいと思っているという状況。
――このあたりは不安材料としてはどうか。
アドバンテスト 津久井幸一社長:
いろんな規制や、各国の半導体戦略、半導体が非常に国家戦略の重要なポイントにもなってきていて、非常に注視しているところ。ただ、生産拠点が多いところに販売が多いが、設計をしている会社は、アメリカであったり、ヨーロッパであったり、「ファブレス」という会社だが、そういうところも大事なお客様。非常に幅広くビジネスやっているっていうことが強みでもあると思っており、それを大事にしている。

――最近のアドバンテストの株価について。ここはあまり心配しなくても大丈夫か。
アドバンテスト 津久井幸一社長:
我々はポジティブに捉えている。AIの時代にまだ入ったばかりで、新しいテクノロジーはこれからもどんどん出てくると思っている。でもそれでイノベーションが進んで、もっと我々の身近なところにAIが浸透してくるのではなると、もっとテストが必要になり、より貢献できると思う。
(BS-TBS『Bizスクエア』 2月15日放送より)