【提言3】「続きはWEBで」の仕掛け

ただし、テレビ局には番組の時間という制限があるし、民放には視聴率という壁もある。選挙報道は重要であることはわかっていても、そうした制約から逃れることはできない。そこで大事になってくるのが、「続きはWEBで」という仕掛けである。

近年は、「TBS NEWS DIG」など系列各局のニュースをキー局のサイトにまとめて比較する動きが進んでいる。こうしたサイトを構築することは、選挙報道に接しやすくする効果を生むことは間違いない。

ただ、夕方に流れたニュースをただ陳列するだけでは勿体ない。テーマによって特集を組み深掘りする仕掛けは必要である。

たとえば、NHKの「選挙WEB」のように選挙関連ニュースだけではなく、さまざまな情報を凝縮したサイトを構築することによって、テレビ局、とりわけ民放ローカル局が選挙報道を行う社会の公器として重要であることをより認識してもらえるのではないか。NHKの「選挙WEB」は全国の大きな選挙を網羅しているが、おらが村の村長選挙などはフォローしていない。注目されにくい選挙であってもWEBを利用してフォローすることは、ローカル局の生き残り戦略としても有意義のように思える。

またNHKが障がいのある有権者向けに作成している「みんなの選挙」のように、ニュース動画だけではなく、選挙制度の解説や課題の指摘などを指摘するサイトをつくることも有意義ではないか。それは主権者教育を行う上での素材につながるからである。

新聞ではNIE(Newspaper in Education)があるように、選挙報道サイトを主権者教育に活用してもらうつくりにするという発想もあってもよいだろう。