■第108回日本陸上競技選手権 20km競歩(16日、兵庫・神戸 六甲アイランド)

東京2025世界陸上の日本代表選考会を兼ねた男子競歩20㎞の日本選手権が行われ、世界陸上ドーハ&オレゴン金メダルの山西利和(29、愛知製鋼)が1時間16分10秒(速報値)の世界新記録で優勝した。日本陸上競技連盟が定めた派遣設定記録(1時間18分30秒)を突破したため、東京2025世界陸上代表に内定した。

山西は昨年のこの大会で失格となりパリ五輪代表の座を逃した。今年は世界記録を更新しての優勝で見事リベンジを果たし、4大会連続の世界陸上出場を決めた。

9月に東京で行われる世界陸上代表には、女子やり投の北口榛花(26、JAL)と男子35㎞競歩の川野将虎(26、旭化成)が内定済み。山西は日本勢3人目の代表内定となった。

1周1㎞の周回コースを20周する今大会。2022年世界陸上オレゴン金メダリストの山西利和(29、愛知製鋼)、パリオリンピック™8位入賞の古賀友太(27、大塚製薬)、パリ五輪日本代表で前回大会2位の濱西諒(24、サンベルクス)ら、有力選手が出場した。

レース序盤、先頭に立ったのは山西と丸尾知司(33、愛知製鋼)の愛知製鋼コンビ。3kmを11分28秒で通過、世界記録を上回る速いペースで歩き、この時点で先頭集団は8人に絞られた。

8㎞を過ぎて先頭は、丸尾、山西、濱西の3人となり、12㎞を通過すると濱西が遅れ、先頭争いは山西と丸尾の2人に絞られた。そして13㎞手前で山西が丸尾を突き放しにかかると一気に差が広がり、世界記録を上回るペースで残り5㎞に入った。その後もペースを落とすことなく独歩を続けた山西が、2015年に鈴木雄介(富士通)がマークした1時間16分36秒の世界記録を26秒更新して優勝を果たした。

男子のスタートから20分遅れで始まった女子20㎞競歩は序盤、世界陸上代表、藤井菜々子(25、エディオン)、岡田久美子(33、富士通)、柳井綾音(21、立命館大)の3人がレースを引っ張る展開となった。5㎞を通過し、藤井が抜けて単独トップに立つと、そのまま独歩状態で、日本新記録となる1時間26分33秒でゴールした。日本陸連が設定した派遣設定記録(1時間28分00秒)を突破したため、東京2025世界陸上代表内定となった。

【男子20㎞競歩 結果】
1位 山西利和 1時間16分10秒
2位 丸尾知司 1時間17分24秒
3位 吉川絢斗 1時間17分38秒 

【女子20㎞競歩 結果】
1位 藤井菜々子 1時間26分33秒
2位 岡田久美子 1時間28分17秒
3位 梅野倖子  1時間31分02秒