ロシアとウクライナとの間の戦闘終結に向けた交渉について、アメリカのトランプ大統領は14日にドイツで米ロの高官協議が行われると明らかにしました。一方、交渉が米ロ主導で進むことについて、ウクライナやヨーロッパが警戒しています。

アメリカ トランプ大統領
「あす(14日)、ミュンヘンで協議を行う。ロシアが来てアメリカ側と会う。ウクライナも招待されている」

14日にドイツ・ミュンヘンで高官レベルでの協議が行われる見通しを示したトランプ大統領。14日から世界各国の首脳や閣僚が集まる安全保障会議が開かれるミュンヘンでは、ウクライナのゼレンスキー大統領とアメリカのバンス副大統領が会談する見通しですが、ウクライナ側は…

ゼレンスキー大統領の広報担当者
「ロシアとの協議は予定されていない」

ロシアとウクライナの戦闘終結に向けては、トランプ大統領が12日のプーチン大統領との電話会談で、交渉を開始することで合意したと発表。ロシアの大統領報道官も戦闘終結に向けた両首脳の「政治的意思」が示されたとし、ロシア側の交渉団の準備が「始まった」と明らかにしました。

交渉が“米ロ主導”となる展開を懸念して、ゼレンスキー大統領は…

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「独立国としてウクライナ抜きの合意は受け入れられない」

また、「プーチン大統領の計画通りにさせないことが重要だ」と訴えました。

米ロ主導に警戒しているのはヨーロッパも同様で、イギリスなど6か国と、EU=ヨーロッパ連合の執行機関であるヨーロッパ委員会も「ウクライナとヨーロッパはいかなる交渉にも参加しなければならない」との共同声明を発表しました。

さらに、オランダの前首相であるNATO=北大西洋条約機構のルッテ事務総長も…

NATO ルッテ事務総長
「ウクライナを最良の立場に置く必要がある。交渉にはウクライナがあらゆる形で関与するだろう」

「プーチン大統領に西側諸国が団結していることを理解させることが重要だ」と強調しました。

あすのミュンヘン会議で、ウクライナ、そして、ヨーロッパが立場を巻き返せるのかが注目です。