国の特別天然記念物で、野生復帰に向けた取り組みが行われているトキについて、本州では初めて、来年6月ごろにも石川県の能登地方で自然に放すことが決まりました。

トキはかつて、日本のほぼ全域で生息していましたが、乱獲などの影響で数が減少し、1981年に自然界から姿を消しました。

現在は人工的に繁殖させたトキを新潟県・佐渡島で自然に放す取り組みが行われていて、野生で暮らすトキは去年12月末時点で、推定576羽まで増えているということです。

環境省は、佐渡島以外の本州などでもトキの野生復帰を進めるべく、候補地としておととし、石川県の能登地方と島根県の出雲市を選んでいました。

きょう行われた検討会で、来年6月ごろにも、本州で初めて石川県の能登地方でトキを放す計画案が了承されました。

一度に放されるのは15羽から20羽ほどで、事前に3か月程度、野生の群れで暮らすための社会性やエサをとる能力を身につける訓練を行うということです。

浅尾環境大臣
「地域の方々のこれまでのご尽力が実るとともに、震災復興の後押しとなることを期待しています」

環境省は、去年1月の能登半島地震によるトキのエサ場などへの影響は今のところ確認されていないとしています。