静岡のご当地アイドルが2025年2月、仙台市を訪れました。2人はライブや音楽を通じてファンや県民に震災について考えてもらおうと、活動を行っています。

静岡のご当地アイドル「OrangeLeaf」。この日、宮城県仙台市のライブに参加しました。

「こんにちは!OrangeLeafです。私たちは静岡の街を盛り上げるために結成された幼馴染2人組のアイドルです」

OrangeLeafは、大学在学中に結成。2024年、静岡市で開かれた「東北きずなコンサート」に参加するなど、震災を伝える活動を始めました。

<OrangeLeaf まなさん>
「仙台には被害に遭われた方もたくさんいらっしゃるので、そこで私たちが見て勉強して、それを持ち帰って静岡で伝えていくということが大事だなと思っています」

コンサートの後、仙台市の被災地を訪ねました。東日本大震災で、高さ4.6メートルの津波が襲った荒浜小学校です。

<震災遺構荒浜小学校 川村敬太さん>
「東日本大震災って地震が起きたのが2時46分ですけど、荒浜小学校に津波が来たのが3時55分だったんですね。1時間以上後にここに来ました。時間があったがゆえに、中にはここに一度避難をしたんだけど、戻ってしまったり人を探したり、大事なものを残してしまったから取りに帰るとか、そういった方もこの地域ではお亡くなりになっている」

荒浜地区では約200人の地域住民が津波で亡くなりました。荒浜小学校は現在、津波の脅威を伝える施設として一般公開しています。

<川村さん>
「がれきなんかは撤去していますが、それ以外はそのままの状態です」
<まなさん>
「窓とかは?」
<川村さん>
「割れたところはそのままだし、残ったところは残ったままだし。海沿いなので松の木がたくさんあったんですけど、倒れて流されてきた」

<川村さん>
「この教室の中から撮影した廊下のこの辺りの写真がこちらになっています。車が何台も重なっている様子が写っています。ちょうど廊下のこの辺ですね」

津波により壊滅したこの地区は震災以降、住むことができない町となりました。

<OrangeLeaf みゆうさん>
「静岡と見える風景が、海がある感じとか一緒。同じ状態になっちゃう可能性もある。日頃からどこに避難するか考えたい」

OrangeLeafが目標とするミュージシャンがいます。宮城県を拠点に活動し、「東北きずなコンサート」にも参加したシンガーソングライターの伊東洋平さんです。伊東さんは震災当時、避難生活を送った経験を歌やライブを通じて伝えています。

<伊東洋平さん>
「この間も神戸に行ってきましたが、時がたつほどいろんな課題が出てくると思いますが、僕らは歌や音楽でいろんなものを届けていきたいと思っています。3月11日もよろしくお願いします」

<まなさん>
「どういう思いで震災の話とか伝えていますか?」
<伊東さん>
「時に限りがあるっていうのをすごく感じたんですよね。『ありがとう』と言うのを『明日でいっか』って思ったりするじゃないですか。それをきょうは言ってみようかなとか。『こうしたらよかった』『ああしたらよかった』って何をやっても取り戻せないかもしれないけど、なるべく気持ちを伝えることが僕らの音楽を通じて言えるならそういうことかな」

<みゆうさん>
「私たちは普段はアイドルとして歌を歌って踊ってという活動をしているんですけど、だからこそ大勢の人に伝えるというのは私たちがするべきことでできることだと思うので、今回学んだことを幅広い世代の方に伝えていかなくてはいけないという思いはあります」