2025年10月21日に発足した高市新内閣。
経済対策を最優先に取り組むとした一方、自民党と連立政権を樹立した日本維新の会が絶対条件として掲げているのが「議員定数の削減」です。今の国会で成立させることを目指していますが、静岡県内の議員からは慎重な声も挙がっています。
<高市早苗総理>
「『決断と前進の内閣』。とにかくみんなでしっかりと意思決定をしたら前に進んでいく。それもスピードをあげて進んでいく。その思いで懸命に働いてまいります」
高市早苗総理は、「経済対策最優先で取り組む」と強い決意を述べました。静岡県内からは牧野京夫参議院議員が復興大臣として初入閣。
<牧野京夫復興大臣>
「自然災害が激甚化・頻発化している中で、インフラの老朽化対策を含め、国土強靭化に協力に取り組む必要があります」
一方、自民党静岡県連は22日に役員会を開き、日本維新の会と連立政権を樹立したことによる地方への影響を話し合いました。
維新は連立入りの絶対条件に議員定数の削減を掲げ、高市総理は「身を切る改革」として今の国会で関連法案を成立させることを目指すと表明しています。
<自民党県連 鈴木澄美幹事長>
「政治改革という捉え方をすると、ちゃんと議論したうえでそういう方向性が決まれば、痛みを伴うということも含めたうえでやむを得ないと思っています」

維新が掲げているのは衆議院議員465人の1割にあたる約50人の削減で、小選挙区ではなく、比例区を対象としています。

法案が可決すれば、比例代表の割合が大きい国民民主党や公明党が議席を減らす可能性があります。
<国民民主党 榛葉賀津也幹事長>
「ただ数を減らすと地方の議員が減るということ。民主主義の根幹に関わる話ですから、少数野党の声もしっかりと聞かなければなりません。定数減というのは選挙制度の改革とセットだから、議論をしっかりやるべきだと思います」
<公明党県本部 上田勇代表>
「もう20数年前になりますけれども、大変な議論をして今の選挙制度になりました。強引な議論、拙速な議論をするのであれば、なかなか各党との信頼関係は難しくなる」
2024年の衆院選で初めて小選挙区で敗れ、比例復活となった自民党の深澤陽一衆議院議員は複雑な心境を見せました。
<自民党 深澤陽一衆議院議員>
「直接関わるかどうかというのは選挙結果ということなので、そこは自分で努力をしていきたいと思います。少数政党に大変影響が出ると言われておりますので、そこは少し私個人としては配慮すべき課題ではないかなという風に思いますが、新総理にご苦労いただいた結果ですので、そこは重く受け止めて協力していきたいと思っています」
日本維新の会県総支部の杉本一彦副代表は「改革のスタート地点として自分たちの身を切るべき」と訴えます。
<日本維新の会県総支部 杉本一彦副代表>
「1人の国会議員に1億円かかると思えば50億程度の削減っていうことですね。そういったことについての改革ができなければ、国民に向けた大きな改革などできるわけがない」
政治学に詳しい専門家は「連立与党だけで決める話ではない」と指摘します。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「民主主義のルールに関わるところなので、それを与野党で決めて行く必要がある。こういった問題を議員にお願いしたいときになかなか身近な議員を見つけられなくなる、民主主義のディスタンスが遠くなってくるというデメリットもあるのではないか」
26年の自公政権を崩し、新たな船出を迎える高市政権。その手腕が問われています。