平安時代に「超新星爆発」があった!藤原定家が「明月記」に記録

(山陽学園大学 米田瑞生さん)
「人類は歴史の中で、いくつか超新星爆発を目撃しています。特に有名なのが、1054年、平安時代に発生したものです」

ー当時の日本からは、どのように見えていたのでしょうか。

「おうし座の方向で発生した超新星爆発は、平安貴族である藤原定家が執筆した明月記にも記録されています。『金星のように明るい星が現れた』『2年間見えていた』とのことです」

「この超新星爆発の名残は、現在も望遠鏡を使えば見ることができます。『M1 かに星雲』【画像④】は、この時の超新星爆発の残骸です。冬の空で、天文愛好家達に好まれる天体の一つです」

【画像④】M1 かに星雲 国立天文台

ーM1かに星雲の超新星爆発による地球への影響は、あったのでしょうか。

(山陽学園大学 米田瑞生さん)
「当時、地球でも宇宙線などの増加はあったのだと思います。ただ、平安時代は人工衛星も電波通信もありませんでしたから、影響はなかったのではないでしょうか。星を頼りに方角を認識している渡り鳥には、迷惑なことだったかもしれません」

「M1 かに星雲の超新星爆発は、地球から数千光年のところで発生しました。一方、ベテルギウスは地球から500光年の距離にあります。ベテルギウスの超新星爆発は、M1 かに星雲より大きな影響を地球にもたらすかもしれません」

ベテルギウスが超新星爆発したら、地球はどうなる?

ーベテルギウスが超新星爆発すると、地球へはどんな影響がありそうですか?

(山陽学園大学 米田瑞生さん)
「超新星爆発で発生する大量の放射線・宇宙線が地球に降り注げば、生命の危機とはならなくても、太陽フレアのように通信障害や、人工衛星の異常を引き起こすことがないとは言えないのです」

「そして、このような近距離で起きる超新星爆発は、地球からは月のように明るい発光として観測されるかもしれません。個人的には、このような一大イベントを生きている間に見てみたいものです」