宮崎県美郷町で進められている幻の酒「いすゞ美人」の復活プロジェクト。
10日は、その「初しぼり」が行われ、およそ3年かけてついに幻の酒が復活しました。

このプロジェクトは、美郷町宇納間の甲斐酒店が1968年ごろまで製造していたという日本酒「いすゞ美人」を復活しようと、町をあげて取り組んでいるものです。

2022年には産学官で委員会が結成され、これまで酵母の採取や、当時使われていた原料米「瑞豊」の栽培などを経て、先月、初めての仕込みが、延岡市の千徳酒造で行われました。

10日は、プロジェクトのメンバーが見守る中、「初しぼり」が行われ、仕込みを行ったタンクからもろみを専用の機械に通して搾ると、うっすらと黄金色の「いすゞ美人」の原酒が出来上がりました。

(千徳酒造・杜氏 門田賢士社長)
「香りとしては穏やかな感じで、お米のうまみがしっかり乗った酸味もあり、旨味もあり、バランスの非常にいいお酒だと思います」
(幻の酒復活プロジェクト事務局 甲斐範浩さん)
「美郷の特産品として、美郷の人たちが『乾杯はいすゞ美人でしよう』というようなお酒になるといいなと思っています」

また、「いすゞ美人」の復活に合わせて、昔のデザインをもとにラベルも作成され、今後、瓶詰め作業が行われるということです。

【参考】
復活した「いすゞ美人」は、およそ1500本製造される見込みで、今月20日から始まる宇納間地蔵大祭の期間中、地蔵尊前の2軒の酒店で、本数限定で先行発売されることになっています。