親子で取り組んできた “写経” がアートに…
周りとの違いを認めたくなくて医師の診断を避けてきましたが、小学4年生の時に軽度の知的障害を伴う発達障害だとわかりました。
その時、母の祐子さんは、相談支援員からある言葉をかけられます。

母 祐子さん
「『でもお母さんやれることはあります。だから希望をもってやっていきましょう』って言われたら、本当にパーっと光が射したみたいで。できないところを見るんじゃなくていいところ、できることからやっていこうっていうふうに少しずつ変わっていった」

母 祐子さん
「お母さん、ちっちゃい時よく怒っとったかもしれんけど、覚えとる?」
八幡知樹さん「覚えてない…」
母 祐子さん「覚えてない、よかった」
できることを大切にしていこうと、親子で取り組んできた写経…。
2023年、アートとして展覧会に飾られることになりました。


観客「何を使ってるんですか」
八幡知樹さん「これ何かね、竹かね…」
母 祐子さん「細く切った板にひたすら書いて、書き続けるっていう」
木簡に見立てた300枚以上の細い板1枚1枚に丁寧に「正信偈」を書き綴りました。

この八幡さんの大作に多くの人たちが足を止めて見入っていました。
観客「大したもんですよね」

記者「どう思いました?」
八幡知樹さん「うれしいと思った…」

母 祐子さん
「今回の展示も、ほめてもらうのがうれしくって、ずっとこうやってしゃがんで見てるような感じなので。うれしい」