判決「あえて危険な接近行為」あおり運転を認める

金沢地裁、7日

金沢地裁の大村陽一裁判長は7日の判決で、男性のバイクが転倒する際、被告が車1台分も空いていないバイクの前に車線変更していて、客観的に「著しく接近した」と認められることに疑いはないと指摘しました。

さらに被告が車線を変更しなければならないやむを得ない状況もなく、被告があえて危険な接近行為に及んだとして、危険運転致死罪が成立するとしました。

一方、遺族との民事裁判で和解が成立していることなどを考慮し、懲役7年の求刑に対し、懲役6年の実刑判決を言い渡しました。

解説 客観的立証にはドライブレコーダー映像が不可欠

今回の裁判では、男性と共にツーリングをしていた女性のドライブレコーダー映像の存在が、危険運転致死罪の成立を大きく左右しました。

モニターに映し出したドライブレコーダー映像をもとに車両の位置を再現する石川県警

裁判ではこの映像をもとに被告と男性の位置関係を推定し、2台の車間距離が車1台分もなかった、つまり「著しく接近した」と結論付けました。

ドライブレコーダーがなければ、遺族は泣き寝入りとなる可能性が大きく、検察が再捜査に踏み切ることもなかったでしょう。あおり運転を客観的に立証するうえで、裁判所がドライブレコーダー映像を証拠として高く評価したことは、今後、同様の事件にも大きな影響を与えそうです。