今年、5人に1人が75歳以上の後期高齢者になるとされ、介護の環境整備がより大きな課題となっています。こうした中、業界のイメージを変え、介護現場を盛り上げようとしているDJ介護士がいます。

七色に光る会場でペンライトを振る高齢者。介護老人保健施設で開かれた音楽イベントです。DJ歴17年の大滝亮輔さん(37)が企画しました。

大滝さんの仕事は介護福祉士。20歳で介護の仕事に就き、現在は静岡市の施設で働いています。

利用者
「人気者、すごく」

需要が高まる介護業界ですが、世間のイメージは良いものではありません。介護職の経験がない人に働くことをためらう理由を聞くと、▼「体力的にきつい」、▼「精神的にきつい」といったイメージがあると多くの人が答えました。

大滝亮輔さん
「もっと生き生きとした、かっこいい業界になっていけたら」

DJとして全国のイベントで観客を盛り上げてきた大滝さん。得意のパフォーマンスで介護業界を変えようと去年から始めたのが「ロマンディスコ」です。

大滝亮輔さん
「高齢者施設の場合は、曲のつなぎより大きくパフォーマンスしたり、マイクを使って声をかけて投げかける、分かりやすく体を動かせるように意識しています」

大滝さんには強い味方がいます。ヒップホップグループ「RIP SLYME」の元メンバー・SUさんです。この日、5回目を迎えたロマンディスコを初回から一緒にやってきました。

SUさん
「最高ですね、あの子(大滝さん)の企画力は」

トップバッターのSUさんが会場を温め、大滝さんが続きます。

大滝亮輔さん
「この曲ちょっと踊れると、お孫さん、ひ孫さんか。ひ孫さんが『おじいちゃん、おばあちゃんち泊まりたい』」

若者に人気のダンスを分かりやすく伝え、エクササイズとして取り入れます。参加したおよそ60人の高齢者は曲に合わせて合いの手を入れるなどしてノリノリでした。

参加者
「若返りました」
「とても素晴らしかった」

大滝亮輔さん
「介護福祉士が一人一人個性を発信していって、イケてる業界というか、もっと選択肢を増やせるような環境づくり。職場で話し合って、良い環境づくりができたら、もっとかっこいい業界になっていくんじゃないか」

大滝さんの挑戦は続きます。