シリーズ「現場から、」です。アメリカの中間選挙まで1か月。相次ぐ事件を受けて「銃規制」が主要な争点となる中、たった3つの部品で拳銃をマシンガンのように変えてしまう装置の違法な流通が広がり続けています。
4月、カリフォルニア州で6人が死亡した銃乱射事件。犯行に使われた拳銃には、殺傷能力を高めるある装置がつけられていました。その装置が、アメリカで急速に広がりをみせているのです。
ATF(取り締まり当局) マイケル・ホフマンさん
「ここに『グロックスイッチ』が付いていて、拳銃をマシンガンのように変えてしまいます」
3つの小さな部品で構成される「グロックスイッチ」。わずか数分で拳銃に装着できます。
取り締まり当局の協力のもと、装置を付ける前と後で比較してみました。通常、銃弾は引き金を引くたびに1発ずつ発射され、17発撃ち終わるまでの時間は、およそ10秒。
一方、グロックスイッチを装着すると、1秒ほどで一気に発射されました。100発発射するのにも5、6秒しかかからないと言います。
尾関淳哉記者
「通常の銃を使った場合、弾はほぼすべて胸のあたりに命中しています。しかし、グロックスイッチを使った場合、弾は分散して当たっていて、銃の扱いが難しくなることが分かります」
攻撃力を高める一方、標的以外の人を傷つける危険も高まるのです。所持すること自体すでに違法ですが、ネットで2万円程度で販売されていて、押収された数もこの5年で15倍以上に激増しています。
ATF(取り締まり当局) マイケル・ホフマンさん
「(所持する人は)支配感や威嚇を示そうとしています。インターネットで非常に簡単に手に入れることができるようになりましたし、最近は3Dプリンターで自作する人もいるようです」
「連射装置」は、5年前にラスベガスで60人が死亡した全米史上最悪の銃乱射事件を機に注目されました。この時使われたライフル銃に取り付ける装置も所持が禁止されましたが、これらの装置が規制されても二分する世論もあり、銃そのものの規制強化にはつながらず、事件は後を絶ちません。
「銃規制」は中間選挙の争点として今年に入ってさらに関心を高めていますが、追悼式典の出席者でさえ多くの人が「銃を持つ権利は認められるべきだ」と答えました。
事件現場に居合わせた人
「責められるべきは銃ではなく、銃を使う『人』です」
「必ずしも新たな法律が必要だとは思いません。必要なのは教育です」
身近に脅威が広がる中、踏み込んだ議論は進むのでしょうか。
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