ブローカーを頼りに日本へ「母国でレズビアンは自由に生きられない」

10月3日に開かれた裁判の廷内スケッチ
釈放されたのち、病院で治療を受け、再びLGBTのパートナーたちと暮らし始めたものの、ウガンダ国内でLGBTの人がどんどん逮捕されているという噂を耳にする。「このままでは国に殺される」――。そのように感じた女性は、ブローカーにパスポートとビザを依頼。ブローカーに言われるがまま日本へとやってきた。そして、日本でLGBTを理由に難民と認めるよう求めたが却下され、今裁判で争っている。

裁判の中で、国側は「LGBTの人がウガンダの法律に基づいて有罪判決を受けたケースはないとされていて、ウガンダ国内でもLGBTへの理解は進んでいる。また、女性の体に残る傷が警察の行為によるものか判然とせず、証言の信用性に疑問がある」として、訴えを退けるよう求めている。

そして、母国に帰れない理由を問われた女性は、次のように答えた。

 (ウガンダ人女性)
 「私はウガンダ政府や警察から拷問されたり殺されたりするのではないかと恐れています。ウガンダではレズビアンが自由に生きることはできません」

入管庁によると、2021年に日本で難民申請をして、認められた割合は約3%だといい、先進国の中でも突出して低い。日本で難民として保護されることが容易ではないなかで、母国に帰れないレズビアンのウガンダ人女性に対して裁判所はどのような判断を示すのだろうか。裁判は今年中に結審する予定だ。