◇《社長は、施設を撤去する考えを示す…飼育中の動物は?》
現在、札幌市では、法律に基づき、施設にある約150の建築物を全て撤去する『除却命令』を検討しています。
札幌市開発指導課 坪田修一課長
「都市計画法上、違法とはいえ、いま『ノースサファリサッポロ』は事業活動を行っている中で、行政処分をすると、相手にとって、一部不利益な状態を起こす場合もある」「そこは慎重な判断がいるのではないかなと(考えている)。まずは違法状態の解消で、動物に配慮した形で、建物を撤去してもらうのが市の考え」
5日、運営会社の社長は、施設の撤去に応じる姿勢を示しました。
『ノースサファリサッポロ』運営会社 社長
「(運営上)別に無くても大丈夫なものから、撤去を始める話はした」「まずは違法状態を無くすため全力でやっていくため、市と話し合いながら少し時間をもらうのはあるが、きちんとした形で全力で応えていきたい」
違法状態が20年続く今回のケースに、行政書士の橋本さんは…。
はしもと行政書士事務所 橋本啓太 行政書士
「うまく(行政)指導がいかないと、どんどんどんどん今回みたいに違法建築が建っていくことにもなる」「そうなる前に強制力のある行政処分『除却命令』を早めに発出する必要があったのではないかと」
◇《スタジオ解説》
堀啓知キャスター)
オープンから20年が経って、開業当時からの問題が明るみに出てきました。札幌では有名なレジャー施設ですから、今になって、こうした問題が出てきたのは驚きです。問題の根本にある“市街化調整区域”とはどんな場所なのでしょう?
◇《市街化調整区域には約2000棟もの違法建築物》
森田絹子キャスター)
“市街化調整区域”は、自然や農地を守るため、無秩序な市街地の拡大を抑制する地域です。原則として、許可を得ない建築行為が規制されています。
札幌市の全面積の3割弱が“市街化調整区域”です。札幌市内の“市街化調整区域”には、今回問題が明らかになった『ノースサファリサッポロ』をはじめ、約2000棟の違法な建築物があり、札幌市が撤去を求めています。
規制に該当する建物には、プレハブハウスや東屋、物置なども含まれています。