「モンゴル語が話せない」親の懸念

内モンゴル自治区・西部にあるオルドス市には、モンゴルの子どもたちが多く通う民族学校がある。

中国の国歌が流れる校庭で、敬礼する子どもたち。校舎には「中国語を話そう」というスローガンが掲げられていた。
抗議活動に参加したという人に話を聞いた。
モンゴル族の親
「この学校はまだましで、子どもたちはモンゴル語で勉強していますが、他の学校ではもうできません」
モンゴル語による授業はここ数年で大幅に削減されたという。
モンゴル族の親
「今は自分たちが家で言葉を教えるしかありません。モンゴル語による授業を受けられないから、子どもは幼稚なモンゴル語しか話せなくなっています」
この男性もまた、モンゴル語が失われてしまうという危機感を抱いていた。
モンゴル族の親
「(モンゴル語による)授業は禁止されました。子どもは幼稚園に通う歳ですが、モンゴル語で教える幼稚園も無くなりました。当時、激しく抵抗したけれど最後は中国共産党の勝ちですよ」
モンゴル語による授業削減という中国政府の方針に抗議して辞職した教師もいたという。
モンゴル族の親
「子どもが民族の言葉を学べなくなれば民族は消えてしまうでしょう。私の同級生の子どもたちの多くはモンゴル語が話せなくなっています。深刻な問題です」
モンゴル族の子どもが通う民族学校の教師は、授業の変化をこう証言した。
民族学校の教師(漢族)
「小学1年生は全部中国語です。今は全部中国語ですよ。モンゴル語の授業は少しはあるけれど、他は全部中国語で教えています」
Q.民族学校はモンゴル語で学ぶ学校ではないのですか?
「以前はそうでしたが、ここ数年で教育改革が行われたのです」
授業が減った影響は、はっきりとあらわれていた。
モンゴル族の生徒
「モンゴル語による授業は、前より少なくなりました」
Q.モンゴル族の子どもたちはモンゴル語を話せるの?
「僕は少しは話せます」
Q.中国語とモンゴル語どっちが話しやすい?
「中国語です。 モンゴル族の子どもも中国語で授業を受けるので」
変化が起きていたのは、学校だけではなかった。