山口県の無形文化財「鷺流狂言」の保持者に、米本太郎さんが認定されることになりました。

また、県の有形文化財には新たに2件が指定される見通しです。



山口鷺流狂言保存会 米本太郎さん
「引き続きしっかりと伝えていくということを、さらに重たい責任をもってやっていくということになったんだろうなと思っております」

県指定無形文化財「鷺流狂言」保持者に認定されることになったのは、山口市の米本太郎さん(42)です。



3歳のときに山口鷺流狂言保存会に入り、7歳で初舞台を踏みました。



東京藝術大学邦楽科に進み、能楽を学んで帰郷。



豊かな舞台経験と笑いのつぼを心得た芸、担い手の育成や、県内外での普及に積極的に取り組んでいる点が評価されました。



山口鷺流狂言保存会 米本太郎さん
「どうしたら若い人たちに興味を持ってもらえるかな、いろんな人から応援してもらえるかなっていうことを考えてやってきたのかなって気はしますね」



「鷺流狂言」は山口のほか新潟、佐賀と全国3か所にしか残っていない貴重な伝統芸能です。



山口市で保存会が結成されて守り伝え、1967年に県の無形文化財に指定されました。



この「鷺流狂言」を後世に伝える「保持者」には米本さんの父・文明さんが2002年に認定されています。



保存会では、定期公演や学校での出前授業を行うほか、近年ではアメリカの大学や、沖縄の国立劇場でも上演し、好評を博しました。

山口鷺流狂言保存会 米本太郎さん
「日本って何なんだろうって。1番大事なのは地域であったり文化であったりだと私自身は思ってまして。それをなるべくもっともっと広く、いろいろな子どもたちにとにかく1回でも触れるっていう機会をつくっていきたいなと」



県無形文化財保持者に認定されれば、2018年以来のことです。

また、新たな県の有形文化財として2件が指定される見通しです。



山口市の洞春寺が所有する桃山時代の絵画で、雲谷等顔が作者との可能性が高いとされる「絹本着色嘯岳鼎虎像」。



山口市の志多里八幡宮所有で南北朝時代のものを含む「志多里八幡宮棟札類付納箱」です。

いずれも来月の県報告示によって、正式に指定、認定されることになっています。