アメリカハイテク株の大幅下落をもたらした中国の新興企業・ディープシークの格安生成AIは、今後のAI開発のゲームチェンジャーとなるのか。
「ディープシーク」生成AI アメリカに衝撃…低価格で高性能?

トランプ大統領:
ある中国企業が、より高速なAIをはるかに低コストで開発した。ディープシークの発表は我々への警鐘だ。勝つための競争により集中する必要がある。

1月27日、トランプ大統領が会見で述べ、注目されたのが、中国の新興企業「ディープシーク」が開発した格安の生成AI。ディープシークは2023年にAI研究者で起業家のリョウ・ブンホウ氏が中国・杭州に設立した。「ディープシーク」の格安の生成AIは、先行するアメリカの企業の生成AIに匹敵する性能を示す一方で、高価な先端半導体を使わず、開発コストは10分の1以下だという。

中国の新興企業が、格安でアメリカの企業の生成AIに匹敵する性能のものを開発したというニュースは、アメリカの株価にも大きな影響を与えた。1月27日、AIなどに使われる最先端の半導体を製造するエヌビディアの株価は17%安に、失われた時価総額はおよそ5900億ドル=日本円でおよそ92兆円に達した。

投資家のアンドリーセン氏はSNSで人工衛星の打ち上げで、アメリカがソ連に先行を許した1957年の「スプートニク・ショック」になぞらえた。

こうした中、ディープシークがアメリカの企業「オープンAI」の生成AI・チャットGPTの学習データを利用規約に違反する形で「活用」した疑いがあるとしてオープンAIは提携先のマイクロソフトと共同で調査を始めた。

トランプ政権で商務長官に指名されているラトニック氏は中国への先端半導体の輸出規制を強化する方針を示している。
商務長官候補 ハワード・ラトニック氏:
彼らは我々のものを盗み、知的財産を奪った。我々は(AI開発の)先頭でなければならない。
ディープシークはAI開発におけるアメリカの優位を突き崩すゲームチェンジャーとなるのか。