新しいものをできるだけ作らず、今あるものを長く使う
店内の壁などには廃棄された服で作られたアート作品が展示されているほか、子どもの絵本やおもちゃを物々交換できるなど、お金を使わなくても楽しめるコーナーもある。今あるものを長く使うことを勧めるのも、福屋さんがこの施設を通して伝えたいメッセージの一つだ。

「私たちのサステナブルプロダクトの定義は、ユーズド、ヴィンテージ、アウトレット、それに売れ残りや型落ち品などのデッドストックです。できるだけ新しいものを作らず、もともとあるものを長く使うことが一番サステナブルだと考えています。
新しく作られた商品に関しては、オーガニックやフェアトレード、アップサイクルなど、環境にやさしい素材や動物由来ではない素材でできたものを選んでいるほか、伝統的な技術や地産地消によるものづくりを重視しています。今はこの定義に該当していなくても、サステナブルな新たな概念があればどんどん取り入れていきたいです」
ウィファブリックは大阪・関西万博の会場に5月に出展して、自社の取り組みを伝える予定だ。今後は小型の複合施設を東京都内に構えることや、無人の古着販売店を大阪を中心に展開していくことも検討している。リアルとオンラインのショッピングモールを軸に、ものづくりをする業界が抱える廃棄の問題に今後も向き合っていく。(「調査情報デジタル」編集部)
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。