周辺のトイレよりもはるかに高額…なぜ?

 ただ、“問題のトイレ”から車で少し走ってみると、1.7kmほど離れたところに別のトイレがありました。御杖村と隣の曽爾村の伊勢本街道周辺には、問題のトイレとは別に5か所のトイレが設置されています。その費用はというと、最も近い曽爾村のトイレは約20年前(2004年度)に作られたものですが、1170万円ほど。御杖村の東側にあるトイレは2011年に整備され、駐車場もあわせて約2000万円でした。
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 問題のトイレは費用に用地の取得費約700万円や駐車場やベンチなどの整備費1600万円なども含んでいますが、それでもなぜ、トータル約1億円という高額になったのでしょうか。

 (御杖村 伊藤収宜村長)「村の木材を使いたい、県産材を使いたいということで設計させていただいています。使った材料・コンセプト、そういうところからいきますと、『特別に高かった』というように思っているわけではございません」

 地元木材をPRしようと、奈良県産のヒノキなどを使うことにこだわったためで、物価や人件費の高騰の影響もあり、村長は「価格は適切だ」と強調しました。一方の村民は…

 (村民)「やっぱり1億円弱っていうのはどうしても僕ら住民として納得できる金額ではないんですわ」

 奈良の山あいに作られた『1億円トイレ』。その費用が妥当かどうか、村と村民で言い分は分かれたままです。