2日、高知市で高知では21年ぶりとなる将棋のタイトル戦、棋王戦の第1局が行われました。現在七冠の藤井聡太(ふじい・そうた)棋王に挑むのは初のタイトル獲得を目指す増田康宏(ますだ・やすひろ)八段。10時間以上に及ぶ対局を制し先勝したのは藤井棋王でした。
高知での21年ぶりのタイトル戦を前に1日に開かれた前夜祭では、藤井棋王と増田八段がおよそ300人を前に意気込みを語りました。

(藤井聡太 棋王)
「非常に強い方ですのでこちらもしっかりと集中して対局に臨みたいと思っています」

(増田康宏 八段)
「藤井さん得意戦法の『角換わり』が一番難敵でして、後手番になるとどうしても受けざるを得ないのであしたは先手番をくることを願っています」
藤井棋王の直筆サインを抽選で引き当てた子どもは…

(香南市から)
「すごくかっこよかった。(Q.将来はの夢は?)プロ棋士になりたい」
そして2日、3連覇をめざす藤井棋王と初のタイトル獲得に挑む増田八段の対局が午前9時からスタート。振り駒の結果、藤井棋王が先手に、前日先手を願っていた増田八段は「後手」になりました。藤井棋王が初手で飛車先の歩を突くと、増田八段も同じく飛車先の歩を突き返し始まりました。

高知での21年ぶりの将棋のタイトル戦を近くで見守ろうと、会場には県内外から多くのファンが集まりました。
(高知市から)
「高知での21年ぶりのタイトル戦ということでこの日を楽しみにしていました。熱い将棋を、お互い手に汗握る熱戦を期待したい」

タイトル戦に合わせて会場の外ではプロの棋士との指導対局が行われ、およそ50人の将棋ファンが「ハンデなし」でプロに挑みます。

指導したのは南国市出身の島井咲緒里(しまい・さおり)女流二段らプロ棋士3人です。プロの指し手に参加者も頭を悩ませます。

(県内将棋大会で優勝経験あり 小学3年生)
「きょうは中飛車(戦法)を使いました。けど真ん中の“歩”がついていたのでそこ突かれて、真ん中から逆に攻められてちょっと苦しくなった」
将棋に向かう姿勢はプロも参加者も真剣そのものでした。

会場では対局をプロ棋士が解説する大盤解説会も行われおよそ850人のファンが詰めかけました。今回の戦型は「角換わり」。序盤で角の駒を取り合ってから戦いを進める藤井棋王が得意とする型です。