日本でリアル書店は減少の一途

一方、日本では残念ながらこの動きは現状では起きていません。ただ、出版物自体のマーケットサイズは、最も小さかった2019年から徐々に回復してきました。おそらくコロナの影響といわれており、巣ごもりの中で漫画などのコンテンツを味わう時間が増えて、人々が流れていきました。

これにも面白いデータがあります。日本の書籍のマーケットサイズは約2兆円といわれていますが、そのうちリアル書店を経由して買った比率とインターネットを経由して買った比率を比べてみると、初めてインターネット経由がリアル書店経由を逆転したのは2022年でした。逆に言えば、それまではリアル書店の方が多かったようです。

ただし、日本ではリアル書店回帰どころか書店の売り上げは減り続けています。これは書店の店舗数にも反映されています。

2000年頃、出版業界が非常に元気だった頃は、書店の数は約2万2000店舗と言われていました。それが2017年には1万2500店舗とだいぶ減ります。2023年は1万900店舗。およそ四半世紀で半減ということです。皆さんも自分の町から書店が消えてしまったという経験をされたと思います。都市部にいらっしゃる方でも定期的に行っていた書店がなくなり不便になったと感じる方も多いと思います。