戦時中、山口県宇部市の海底炭鉱が水没した事故で、犠牲になった労働者の遺骨を見つけ出そうと、3日間にわたり行われていた潜水調査が2日、終わりました。

宇部市の海底にあった長生炭鉱は、太平洋戦争中に天井が落盤し、水没しました。朝鮮半島出身者136人を含む183人が犠牲になり、今も炭鉱の中に取り残されたままです。

遺骨を家族のもとに返そうと活動する「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は、水中探検家の伊左治佳孝さんと3日間、坑道内の潜水調査を行いました。これまで坑口から265メートル先まで進んでいて、その地点から木材などで塞がっていることが明らかになっていました。

2日は、坑道からピーヤが突き出す旧坑道に行ける道がないかなども調べましたが、見つからなかったということです。

潜水調査を行った水中探検家・伊左治佳孝さん
「多分、265メートル以上は坑口からは難しいんじゃないかな。多分ピーヤから行くことになると思います。ピーヤの沖側のところから、いわゆるこの直線上(坑道)からずれた側道(旧坑道)を調査することになるのかなと」

遺骨は見つかっていませんが、坑道の中から、石炭や木の板などが持ち帰られました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
「ご遺骨は必ずある、必ず対面できるときはくる。その時に向けて私たちはしっかり体制を作り直して次に向かって一歩一歩前進していきたいと思っています」

4月には伊左治さんに加えて、韓国のダイバー2人が一緒に潜水調査を行う予定です。