民放アナウンサー、営業、制作スタッフに聞いた テレビ局の接待の実態
フジテレビの会見では、会食をめぐる企業風土も注目を浴びた。

フジテレビ 港浩一前社長
「(社長の誕生日会に)参加した女性が果たして喜んで参加していたのか、そんなに気が進まないけれども参加していたのか、そのときは思いが至らなかったので、わかりません。そういう会を催すときは、参加者本人の意思を大事にしなければ、企業風土は刷新されていかないと感じている」
SNS上には、接待文化への批判や被害の経験を訴える声が次々と上がった。
SNSの声
「私もそのお酌係を普通にさせられてた」
「部署の飲み会でわざわざ女性社員を部長や課長の隣に座らせた」
「これを機に若い女性社員を接待に連れてってお酌させる的ダメ文化ごと滅ぶといいよね」
テレビ局の接待の場で何が起きているのか。
東京のテレビ局の女性社員やスタッフに聞いた。

制作会社のスタッフ
「居酒屋やカラオケで男性上司や先輩に肩を抱かれたり、手を握られたり、卑猥なことを耳打ちされることがあった。一瞬の不快感や腹立ちはあっても、思い悩むほど深刻にとらえてなかった。訴える、抗議するという考えがなかった」

民放社員(営業部)
「スポンサーとの会食で『俺と不倫してくれたら次もCMを続けるよ』と言われた。ショックだったので男性の先輩社員に相談すると『お前の腕の見せどころだな』と笑われ、真剣にとりあってくれなかった」

民放社員(アナウンサー)
「10年以上前になるけど、プロデューサーに『一流アスリートを囲む飲み会があるからアナウンサーで囲んでほしい』とお願いされ、局アナ3人で参加した。キャバ嬢並みの接待を期待され、それに応えられない自分はみじめになり、途中退席したが、翌日プロデューサーに怒鳴られショックを受けた」
テレビ局はそもそも女性をコンテンツの一つとして扱ってきた側面がある。

1970年・80年代には、民放各局が大勢の女性を集めた水泳大会など女性の身体を露出する番組を企画し、放送してきた。
そうした番組に対する批判もあった。
PTAが青少年への影響を危惧する声を上げ、政界は取り締まりへの動きを見せた。
そうした流れに乗じて、2000年。
テレビ番組が青少年にとって有害かどうかを政府などが判断できる法案が浮上。
メディアへの公権力の介入を許すことになるとジャーナリストらが反発した。

安藤優子氏
「情報そのものを規制するというのは、本末転倒。テレビ、その他メディアの表現を悪者にするのは大変安易なこと」
筑紫哲也氏
「週刊誌がひどい、テレビがひどいというような、そういう空気が背景にある」