仮設住宅で暮らす男性「90年住んだ家なので、もの凄い寂しい」

同じ三井町の仮設住宅で1人暮らしをする山浦芳夫さん90歳。
山浦さんは当初、中規模半壊となった自宅の一部を残そうと考えていましたが、隙間風が入り込むなどし冬は住めないと判断、公費解体を決めました。
山浦芳夫さん「90年住んだ家なので、もの凄い寂しい。家族総出で作った家がこういう事で無くなる訳ですからせめて僕がいま、やらなきゃ行けない事は、そうしてみんなで家族揃って作りあげたひと部屋でも残して行こうかと本当はそういう思いにいたんですが、やはり寒い冬には耐えられませんでした」
90年もの間、住み続けた愛着のある我が家。
山浦さんは住民たちが三井の集落から離れずに済む様な取り組みを行政に求めます。

山浦芳夫さん「僕は地元愛、ここに90年生きたというそういうモノに対するものをどうしても離す事ができない。呪縛というかそれをちぎる事は出来ないだから行政のたるいのをしょっちゅう頭にきながら、色んな連中がそこの地域に残ってこそ、その地域が僕は良いと思う」
被災地の住民からはこの他にも「家の修理を依頼しても業者が来ない」といった声もよく聞かれます。
新築で建て替えるにしても、資材価格の高騰で坪単価が100万円から高いものでは200万円するといった話も、住民の間で交わされているそうです。
公費解体を申請したくても家の中にまだ必要なものが残っていて、申請したくてもできない人もいます。

公費解体のその先、古民家を残したその先の手厚いケアが発災2年目以降の大きな課題の一つと言えそうです。